未来生物 シューティング・スパイダー | LEGEND OF FUTURE

LEGEND OF FUTURE

動物好きな自称よろず創作家・TechpanCreateによる、思弁的進化をテーマにしたブログ。

Shooting Spider

シューティングスパイダー

分類*蛛形綱 蜘蛛亜綱 蜘蛛目 ハンモックスパイダー科
棲息年代*2億年後
大きさ*体長7~10㎝

棲息地域*南部森林地帯(川縁の明るい樹幹部)
概要*

網を張って獲物を待ち構えるライフスタイルから進歩して、自ら積極的に獲物に攻撃を仕掛けるよう進化したクモ類。ジョロウグモやコガネグモなどの網を張るクモから進化した。

著しい形態の変化は無いが、やや腹部が細長く、糸を出す疣状突起が筒のように長く発達している。

このクモは、2種類の糸を分泌する事が出来る。ひとつは先祖のそれと同じ弾力性の高い細い糸で、巣を作ったり枝から降りる際の命綱を作るのに用いる。もうひとつはトリモチのような、スライム状のどろどろした塊状の糸である。この粘着質の特殊な糸が、シューティングスパイダーの最大の武器だ。

通常は樹幹部の、水面に張り出した枝に普通の糸を用いてハンモック状の巣を作り、其処に潜んでいる。

獲物は空中を飛ぶ小昆虫や、水面に姿を見せる様々な小動物。

狩りの際は腹部を曲げて頭部の傍まで持ち上げ、狙った標的に糸の噴出し口を向け、正確に糸を打ち付ける。そして、糸に絡め取られて自由を失った獲物をゆっくりと巣に運び込み、捕食する。

また、外敵に対してはこの粘性の糸を素早く打ちつけて視界を奪い、相手を無力化して逃走する。

卵生、体内受精。卵はハンモック状の巣の中に産み落とされ、孵化した稚グモは間も無く独立し、腹部の卵黄を頼みに1年近く絶食して成長する。糸を正確に標的に発射するには熟練の技術が必要で、独り立ちしたばかりの稚グモの大多数が餌を捕れずに餓死し、または天敵から身を護れずに捕食される。そうした損失を、一度に多数の卵(300~600個)を産む事で補填している。