未来生物 マカラ | LEGEND OF FUTURE

LEGEND OF FUTURE

動物好きな自称よろず創作家・TechpanCreateによる、思弁的進化をテーマにしたブログ。

Makara


マカラ(デルフィノフォカ・エレファナスス)

分類*哺乳綱 食肉目 デルフィノフォカ科
棲息時代*近未来(今から500万~700万年後)
大きさ*全長8~11m、体重5~9t
棲息地域*北半球の海洋

概要*

クジラやイルカが絶滅した後、色々な動物が空白になった生態系に潜り込みを果たした。地域によりそれは有袋類だったり鳥類だったり爬虫類だったりと様々だったが、それらの中で最も早くクジラの生態的地位に納まったのはアザラシの仲間だった。彼等は出産の時だけ上陸する他は、殆どの時間を水中で過ごし、様々な海洋生物を餌として利用していた。

クジラが絶滅して間も無く、一部のアザラシ類が進化の末に「子供を海中で出産する」進化を遂げた。結果、出産の時に危険を冒して上陸する必要の無くなった彼等は比較的速いスピードで海中の生活に適応し、完全な水棲生物へと変貌したのである。

最早陸上の移動に使われなくなった後脚は尾と癒合してクジラの尾鰭に似た器官となり、長時間の水中生活に対応して皮下脂肪が分厚く進化し、替わりに体毛は全く退化した。…クジラに次ぐマクロネクトン型哺乳類「新アザラシ類」の誕生である。

マカラは、こうした「新アザラシ類」の中でも取り分けて大きな種類であり、ゾウの鼻を思わせる大きな鼻と、下顎に生えた発達した牙が特徴的。沖合いから沿岸までの広い範囲に、一頭のオスと数頭のメス、その子供からなる群れで暮らす。牙はオスの方が大きく、主にオス同士の争いの際に武器として用いられる。

餌は様々な魚類で、狩りの時には極めて面白い鼻の使い方をを見せる。

体長40cm以上の大きな魚は普通に口で咥えて捕るが、それ以下のサイズの小さな魚を食べる際には魚群の下からそっと近付き、長い鼻を使って獲物を吸い込んでしまう。吸い込んだ獲物は鼻の中の空洞に蓄えられ、これ以上入らない、と言うギリギリの許容量になると其処でやっと狩りを中断し、海面に浮上して鼻の中に溜まった獲物を口に入れ、飲み込むのである。食事の間は鼻からの呼吸は殆ど行わず、また海中では肺に蓄えた空気を呼吸する為に、狩りの間に酸欠になると言う事はないようだ。